The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. Genetics/Breeding

[P2-25] イヌにおける遺伝性疾患に関連する遺伝子変異と近傍の新規変異の探索

〇Ayako Akashi1, Shun Ohki1, Minori Arahori1, Kyoko Koinuma1, Genki Ishihara1, Yuki Matsumoto1 (1.Anicom Specialty Medical Institute Inc.)

【目的】イヌは、これまでに350品種に及ぶ多様な品種が生み出されている。品種の樹立に伴い、特定の品種に頻発する疾患が多数報告されてきており、遺伝的な関与が強く疑われている。近年、遺伝性疾患に関わる変異の解明が進められ、遺伝子検査から疾患のリスク評価を可能にする基盤が整いつつある。こうした疾患関連の変異に関する知見をもとに、本研究では、国内のイヌ12品種について遺伝解析を実施し、疾患関連の遺伝子変異の検出、及びその保持率を明らかにすることを目的とする。【方法】13の遺伝性疾患の関連変異の周辺配列を増幅するカスタム遺伝子パネルを開発し、12品種2480頭のスワブ由来DNAを用いて、Ion GeneStudio S5によるシーケンスとTorrent Serverでの解析後、変異の有無とその頻度を品種ごとに確認した。【結果】13遺伝子疾患領域の中でも、複数の品種で発症が報告されている変性性脊髄症の関連変異の保持率は全体で3.5%、高罹患率のコーギーでは18.5%と高い傾向にあった。また、既知の変異の近傍においても新規の変異を確認した。【考察】本研究で使用した日本国内の集団は、同一品種であっても国外の集団とは遺伝的な背景が異なることが予想されるため、今回確認された新規の変異は、国内の品種特有である可能性がある。今後、海外の集団を含めて検証していくとともに、当該変異と疾患との関連を調べる必要がある。