The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-09] ホルスタイン種育成牛に対するインヒビン抗原を用いた過剰排卵処理の効果

〇KAHO SHIBATA1, Syouitirou Yamaguchi1, Takeshi Hayashi1, Syuji Ueda1, Takahiko Kakihara1, Haney Samir2, Gen Watanabe2 (1.Fukuoka Agricultural Research Center, 2.Tokyo University of Agriculture and Technology)

【目 的】インヒビンは発育卵胞数を制限する働きを担っている。本研究では、ホルスタイン種育成牛に対しインヒビン抗原を投与した場合の血中インヒビン抗体価への影響について検討した。さらに過剰排卵処理(以下、SOV)を行い、血中インヒビン抗体の変化が採胚成績に及ぼす影響について検討した。

【材料および方法】育成牛4頭(開始平均13ヵ月齢)を2区(各2頭)に分け、インヒビン抗原を投与した試験区および無投与の対照区を設けた。試験1では血中インヒビン抗体価を調査した。試験2では両区にSOV実施後、性選別精液を用いた人工授精(以下、AI)および採胚を行い、両区のAI時の卵胞数および採胚成績を調査した。

【結果および考察】試験1:インヒビン抗原投与後、試験区のインヒビン抗体価は上昇した。試験2:各区のAI時における大・中卵胞数は30個および25個と両区ほぼ同等であった。各区の採胚後の黄体数は24個および8個であり、採取総卵子数は19個および4個であった。そのうち正常胚数はそれぞれ2個および0個と両区ともに低い正常胚率であった。以上より、インヒビン抗原投与は血中インヒビン抗体の増加につながる。また、インヒビン抗体が増加した個体はSOV実施後の総卵子数が多いことから、AIもしくは排卵時期を検討することで採胚成績の向上が見込まれる。