The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-30] 体外受精ブタ胚におけるCRISPR/Cas9エレクトロポレーション法によるゲノム編集の条件

〇Tatsuo Kawarasaki1, Masaki Toyoda1, Miku Sakai1, Karei Ryou1, Maika Sato1 (1.School of Agriculture, Tokai University)

【目的】CRISPR/Cas9エレクトロポレーション法(EP)により体外受精ブタ胚をゲノム編集するための条件について検討した。【方法】細胞接着分子ブタCADM1遺伝子のexon1に対応するcrRNAを設計し、gRNA /Cas9nuclease複合体(RNP)を調製した。ブタ卵巣から採取した卵母細胞を44時間成熟培養し、体外受精を行い、媒精6あるいは12時間後に、RNPをEP法(4ステップ式マルチパルス・減衰方式)により導入した。ゲノム編集胚は媒精後7日間培養し、胚盤胞に発生した胚のシーケンスを解析しゲノム編集の有無を確認した。【結果】初めに、RNPを添加していない溶媒のみでEP条件を確認した。媒精後のEPまでの時間、poring処理、transfer処理の条件を検討したところ、単為発生胚の場合よりも弱い条件、すなわち媒精12時間後、poring処理のパルス幅を0.5ms、transfer処理の電圧を10Vとした時に、胚盤胞への発生率が高くなることが確認された。次に、この条件で、RNPを添加してEPを行った。その結果、ゲノム編集胚は無処理胚と変わらない発生率(P=0.4576)を示した。また、ゲノム編集率(61.5%)は単為発生胚のものと変わらなかった。以上のことから、EP時の精子ゲノムの発生段階がその後の胚発生に影響を及ぼすことが示唆された。