The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-31] Bogliottiらの方法 (2018) によるウシES様細胞樹立の試み

〇Yuka Nishimura1, Yuto Kita1, Masaki Yokoo1, Masayuki Kobayashi1 (1.Akita Prefectural Univ.)

【目的】線維芽細胞増殖因子2(FGF2)およびWntシグナル阻害剤(IWR1)を添加した培養液でウシ胚盤胞を培養することにより,安定した多能性維持および増殖能を示すウシES細胞を樹立できることが報告された(Bogliotti et al., PNAS 2018)。そこで本研究では,Bogliottiらの方法に準じてウシES細胞の樹立を試みた。【方法および結果】+FGF2+IWR1培養液とフィーダー細胞を用い,体外受精ウシ胚盤胞からウシES様細胞株を得ることができた(8クローン / 胚盤胞29個)。得られたウシES様細胞は扁平なプライム型の細胞コロニーを形成し,Bogliottiらにより報告されたウシES細胞に酷似していた。代表的なES様細胞株において,ES細胞マーカーSOX2タンパク質の発現が免疫蛍光染色により検出された。胚様体形成法により分化誘導して遺伝子発現を検証したところ,SOX2発現は分化誘導前後いずれにおいても検出された。一方,OCT4発現は分化誘導前後いずれにおいてもほとんど検出されず,NANOG発現は分化誘導に伴い上昇した。また,三胚葉分化マーカーの発現は分化誘導処理に伴い上昇した。以上の結果より,作出したウシES様細胞は三胚葉への分化能を有することが示された。一方,ES細胞マーカーの発現動態は,Bogliottiらが作出したウシES細胞と相違が認められた。