[P4-11] 無血清培地を用いたニワトリ砂嚢由来平滑筋細胞の分化維持培養系の確立
【目的】畜産分野では可食部である食肉(主に骨格筋組織)の質向上や飼料の検討等の研究は長い歴史を持つ一方、畜産副生物(平滑筋組織を多く含む内臓部分)、特に平滑筋は科学的根拠に基づいた肉質の判断基準が不足しており研究の進展が求められる。本研究では、肉質判断の基盤となる平滑筋の組織発生と分化機構を明らかにすることを目的とする。本解析では特に平滑筋細胞研究の土台となる、ニワトリ砂嚢由来平滑筋細胞(SMCs)の分化維持培養系の確立を目指した。
【方法】ニワトリ15日胚から取り出した砂嚢平滑筋部由来のSMCsを無血清培地で1日培養した後(d0)、IGF-1添加培地又はFBS添加培地に置換し、3日間培養した(d3)。細胞回収後、分化型SMCマーカーであるカルポニン1 (CNN1)の発現をウェスタンブロッティングで確認した。また、カルバコール(筋収縮剤)を用いて収縮能を確認した。
【結果】ウェスタンブロッティングでCNN1の発現を解析した結果、IGF-1添加区では発現が維持され、FBS添加区では発現が減少した。また、前者では平滑筋様紡錘形細胞の収縮が維持された一方で、後者では収縮が起こらなかった。つまり、IGF-1添加区ではSMCsの分化維持が可能であることが示された。今後は、IGF-1刺激による分化型モデル、FBS刺激による脱分化型平滑筋モデルとし、その遺伝子発現制御機構を比較解析する予定である。
【方法】ニワトリ15日胚から取り出した砂嚢平滑筋部由来のSMCsを無血清培地で1日培養した後(d0)、IGF-1添加培地又はFBS添加培地に置換し、3日間培養した(d3)。細胞回収後、分化型SMCマーカーであるカルポニン1 (CNN1)の発現をウェスタンブロッティングで確認した。また、カルバコール(筋収縮剤)を用いて収縮能を確認した。
【結果】ウェスタンブロッティングでCNN1の発現を解析した結果、IGF-1添加区では発現が維持され、FBS添加区では発現が減少した。また、前者では平滑筋様紡錘形細胞の収縮が維持された一方で、後者では収縮が起こらなかった。つまり、IGF-1添加区ではSMCsの分化維持が可能であることが示された。今後は、IGF-1刺激による分化型モデル、FBS刺激による脱分化型平滑筋モデルとし、その遺伝子発現制御機構を比較解析する予定である。