The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. Morphology/Physiology

[P4-36] ヤギ乳房局所のメントール塗布が抗菌因子産生に及ぼす影響

〇Ruri Ohno1, Takahiro Nii1,2, Yukinori Yoshimura1,2, Ken Kobayashi3, Naoki Isobe1,2 (1.Grad. Sch. Integrated Sci. for Life. Hiroshima Univ., 2.Res. Center for Anim. Sci Hiroshima Univ., 3.Grad. Sch. Agri. Hokkaido Univ.)

【目的】

暑熱や寒冷ストレスによって乳生産の低下や乳房炎の増加が起こると言われている。本研究では,乳房局所における寒冷処理が自然免疫機能に及ぼす影響を調べるため,冷感を与えるためにメントールを乳房に塗布して,乳中抗菌因子濃度を測定した。

【方法】

泌乳期のトカラ種およびシバ種雌ヤギを用いた。処理区では,3日間乳房表面にエタノール(メントールの溶媒)を1 ml塗布した後,3日間40%メントール溶液1 mlを塗布し,その後3日間エタノール1 mlの塗布を行った。対照区では,エタノール1 mlを継続して9日間乳房表面に塗布した。毎日乳汁を採取し,乳量,体細胞数(SCC),Na+および抗菌因子(ラクトフェリン,S100A7,IgA)濃度を測定した。

【結果】

乳量はメントール塗布開始4、5日後で処理区が対照区より有意に低かった。SCC,Na+およびラクトフェリン濃度は両区の間に有意な差はなかった。S100A7濃度はメントール塗布開始4日~6日後で処理区の方が対照区に比較して有意に高かった。対照区のIgAは試験期間中有意に低下したが、処理区ではほぼ一定であった。以上の結果から,ヤギ乳房へのメントール塗布は,乳房での抗菌因子産生を増強させることが示唆された。