The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. Management/Environment

[P6-32] エンリッチドケージへの導入羽数と品種が採卵鶏の行動・生産性・健康状態に及ぼす影響

〇Haruka Kobayashi1, Masaki Yamanishi2, Asuka Shindo1, Chihiro Kase3, Toshio Tanaka3, Tsuyoshi Shimmura1 (1.TUAT , 2.NLBC, 3.Azabu Univ.)

【目的】家畜改良センター岡崎牧場で育種改良された2品種の採卵鶏(白玉交雑鶏・赤玉交雑鶏)を、羽数を変えてエンリッチドケージに導入することで、適切な飼養密度・品種の検討を行った。【方法】各品種440羽、計880羽を用い、エンリッチドケージに1区あたり20羽(753 cm²/羽)、25羽(603 cm²/羽)、30羽(502 cm²/羽)、35羽(430 cm²/羽)となるように導入し、行動・生産性・健康状態を評価した。【結果】頭掻きは、30羽・35羽区と比較して20羽区で多く発現し、巣箱利用は20羽・25羽区で多くなった(全てP < 0.01)。また、汚卵率・巣外卵率は、30羽・35羽区と比較して20羽区で低くなったが、飼料要求率は20羽・25羽区で高くなった(全てP < 0.01)。さらに、白玉交雑鶏において背中・尻部の羽毛スコアおよび鶏冠の傷スコアが低くなり、汚卵率・巣外卵率が高くなった(全てP < 0.001)。これらの結果から、本実験においては、エンリッチドケージでは603 cm²/羽以上での飼育が好ましく、753 cm²/羽が最も好ましいこと、また、白玉交雑鶏よりも赤玉交雑鶏の方が適合することが示唆された。しかし、低密度区では行動の多様性に伴う飼料要求率の増加が確認されたため、適正密度・品種の提案にあたっては、さらなる検討が必要である。