[I-15-12] 人工乳のデンプン含量の違いが乳用子牛の飼料摂取量、発育および血中代謝ホルモン濃度に及ぼす影響
【目的】本研究では人工乳のデンプン含量の違いが子牛の摂取量、発育および血中代謝ホルモン濃度に及ぼす影響を評価した。【方法】ホルスタイン種子牛雌雄27頭をデンプン含量の異なる3種の人工乳区[H区(40%)、M区(30%)、L区(20%)]に9頭ずつ配置し13週齢まで試験した。代用乳(カーフトップEX; CP28%,Fat15%)は最大1.2kg/日給与し、6週齢から漸減し8週齢で離乳した。人工乳および乾草は5日齢より自由摂取させ(人工乳摂取上限3.5 kg/日)、採食量を毎日記録した。また、定期的に体重や体格の測定および採血を行った。【結果】試験期間中の体重や体格の値に処理区間の差はなかったが、離乳後の日増体量はL区と比べH区で高かった。離乳前3日間の平均人工乳乾物摂取量はH区で1.6kg、M区で1.4kg、L区で1.5kgと処理区間に差はなく、概ね離乳時の目標摂取量に到達していた。しかし、離乳後の人工乳摂取量はL区と比べH区で多かった。乾草摂取量は処理区間の差はなかったが離乳後に増加し、乾草と人工乳の摂取量から計算した離乳後の摂取デンプン濃度は、H区で33%、M区で26%、L区で18%であった。血漿IGF-1濃度は13週齢でL区と比べH区で高かった。以上より、どの処理区でも離乳は順調であったが、離乳後にL区の摂取デンプン濃度が低かったため、H区と比べて発育が制限されたと推察された。