[I-15-29] 日本ザーネン種山羊の産乳能力と泌乳期における血漿成分
【目的】近年、山羊は乳用として注目され、家畜改良増殖目標では泌乳や乳成分に関する能力向上が示されている。しかし、国内での山羊の産乳と血漿成分の現況と関係性は不明確な面がある。そこで日本ザーネン種の産乳能力と泌乳期での血漿成分を調べた。【方法】家畜改良センター茨城牧場長野支場の日本ザーネン種泌乳山羊20頭を供試し、4~11月の毎月、乳量を記録、乳と血漿を採取した。乳と血漿の成分を測定し、相関関係を調べた。【結果】乳量は0.9~5.7 kg/頭・日、乳脂肪(F)は2.2~5.4%、乳タンパク質(P)は2.2~4.2%、乳糖(L)は2.2~4.9%、体細胞数は5.9~543.2万個/mL、乳中尿素窒素(MUN)は8.2~36.3 mg/dLであった。乳量はPと、Lは体細胞数と負の相関(r=-0.41、r=-0.47)、FはPと正の相関(r=0.40)があった。血漿では、アルブミン(ALB)は2.2~4.8 g/dL、血中尿素窒素(BUN)は13.3~31.1 mg/dL、総コレステロール(T-cho)は45~176 mg/dL、グルコース(GLU)は38~71 mg/dL、アラニンアミノ基転移酵素(ALT)は3~41 IU/Lであった。GLUは無脂乳固形と、BUNはMUNと正の相関(r=0.43、r=0.46)があった。また、ALBがT-cho、ALTと正の相関(r=0.59、r=0.41)があった。