[I-15-31] イルカ用代用乳創製を目途とした予備的検討~ハンドウイルカ乳中のビタミンの分析~
【目的】水族館では母イルカが育児放棄した場合、人工哺育が試みられているが死亡例が多く、イルカ用代用乳創製が求められている。創製に向け、イルカ乳成分を明らかにする必要があるが、採乳量(多くても2mL前後)が少ないこともあり、ビタミン含量についての報告は少ない。そこで本研究では、少量のイルカ乳を用いたビタミン含量測定法を確立し、供試バンドウイルカ乳のビタミン含量を測定することを目的とした。
【方法】新江ノ島水族館のハンドウイルカから乳を採取し、C18カラムを装着したHPLCで分析した。水溶性ビタミンは500μLの乳を Sep-pak C18で前処理し、イオンペア試薬を用いて分析した。
【結果及び考察】牛乳と比較してイルカ乳はレチノール、チアミン、アスコルビン酸含量が多いが、リボフラビン含量はほぼ同量であった。レチノール含量が多い要因として、イルカ乳中にはレチノール結合タンパク質であるβ-LGが多いことが影響していると考えられる。海洋哺乳類の多くはヒトと同様に体内でアスコルビン酸を合成できず、乳を介して仔イルカに与える必要があるため、乳中の含量が多いと考えられる。また、授乳中のハンドウイルカの血中チアミン濃度は低く、通常時よりも多くチアミンを摂取する必要があるとの報告を併せ考えると、多くの血中チアミンが乳に移行していると示唆された。
【方法】新江ノ島水族館のハンドウイルカから乳を採取し、C18カラムを装着したHPLCで分析した。水溶性ビタミンは500μLの乳を Sep-pak C18で前処理し、イオンペア試薬を用いて分析した。
【結果及び考察】牛乳と比較してイルカ乳はレチノール、チアミン、アスコルビン酸含量が多いが、リボフラビン含量はほぼ同量であった。レチノール含量が多い要因として、イルカ乳中にはレチノール結合タンパク質であるβ-LGが多いことが影響していると考えられる。海洋哺乳類の多くはヒトと同様に体内でアスコルビン酸を合成できず、乳を介して仔イルカに与える必要があるため、乳中の含量が多いと考えられる。また、授乳中のハンドウイルカの血中チアミン濃度は低く、通常時よりも多くチアミンを摂取する必要があるとの報告を併せ考えると、多くの血中チアミンが乳に移行していると示唆された。