The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

4. Morphology・Physiology

形態・生理2

Wed. Sep 15, 2021 1:00 PM - 2:40 PM 形態・生理 (オンライン)

Chairperson:Takeshi Ohta, Fuminori Kawabata, Shotaro Nishimura

[IV-15-26] 小胞体ストレス緩和剤4-フェニル酪酸が急性暑熱感作後の肉用鶏の血中成分と骨格筋に及ぼす効果

*Yukako Tokutake1, Ryo Takanashi1, Motoi Kikusato1, Masaaki Toyomizu1, Kan Sato1 (1. Tohoku Univ.)

【背景】熱刺激などにより引き起こされる過度な小胞体ストレスは、組織・臓器にダメージを与える。このため、そのストレス緩和は暑熱環境下のニワトリの生存維持に重要である。発表者らはこれまでにニワトリに小胞体ストレス緩和剤4-フェニル酪酸(4-PBA)を給与すると、暑熱による体温上昇、小胞体ストレス応答機構(UPR)の活性化が抑制されることを報告している。本研究では、4-PBA給与が暑熱下でのエネルギー代謝と、組織・臓器損傷におよぼす影響を調べた。【方法】14日齢雄ブロイラーに対照飼料と4-PBA添加(600 mg/kg/日)飼料を10日間給餌し、急性暑熱感作(36℃、2h)し、血液中のグルコース(Glu)、遊離脂肪酸(NEFA)および骨格筋損傷の指標であるクレアチンキナーゼ(CK)酵素活性を測定した。【結果】急性暑熱後のニワトリでは、Glu濃度が対照区と比較して4-PBA給与区で有意に高かった。また、NEFAは対照区で暑熱により増加した一方、4-PBA区では変化しなかったことから、4-PBA給与は暑熱時のエネルギー基質利用を変化させる可能性が考えられた。さらに、血中CK活性は、暑熱後の対照区と比較して4-PBA区で低い傾向が確認された。骨格筋では、熱ショックタンパク質発現量の低下も認められたことから、4-PBA給与によりニワトリの骨格筋で暑熱の影響緩和効果が大きいことが示された。