The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

4. Morphology・Physiology

形態・生理2

Wed. Sep 15, 2021 1:00 PM - 2:40 PM 形態・生理 (オンライン)

Chairperson:Takeshi Ohta, Fuminori Kawabata, Shotaro Nishimura

[IV-15-28] ブロイラーヒナの腸内細菌叢に及ぼすデキサメタゾン投与の影響

*Yoshimitsu Ouchi1, Yuuichiro Takumi2, Gou Danura2, Takashi Bungo1 (1. Hiroshima Univ., 2. Hiroshima Univ.)

【背景・目的】ストレス刺激によって増強するグルココルチコイドは様々な生理機構に影響を与える。腸内環境はストレスにより影響を受けることが知られているもののその作用機序は不明である。そこで本実験では、グルココルチコイド受容体作動薬であるデキサメタゾン(DEX)をニワトリに投与し、その後の盲腸内細菌叢を調査した。 【方法】供試家畜は5日齢ブロイラーオスとした。処理としてDEX(1mg/1ml)を腹腔内投与、対照区には生理食塩水を投与した。投与2および4時間後に血漿および盲腸内容物を採取した。採取した血漿よりグルコース・遊離脂肪酸濃度を測定するとともに盲腸内容物細菌のDNA発現量を測定した。また、投与2時間後については盲腸細菌叢のシーケンシング解析を実施した。 【結果および考察】遊離脂肪酸濃度はDEX投与後2時間で低値を、グルコース濃度は投与4時間で高値を示した。盲腸細菌叢については、投与4時間では大きな変化は認められなかったものの、投与後2時間においてBacteroides vulgatasの発現量が減少した。さらに、シーケンシング解析の結果、DEX投与区では検出細菌数が約25%減少、特にFirmicutes門およびProteobacteri門の細菌が減少することが示された。以上の結果から、ニワトリにおいて一過性のコルチコステロン濃度の上昇であっても腸内細菌叢に影響することが示唆される。