[IYS-04] 北海道内の預託哺育・育成牧場における乳牛の増体と飼養管理の関連
【目的】北海道内で地域内分業の進展に伴い乳牛の預託哺育・育成牧場が増加している。哺育期を含む育成前期の発育は生涯生産性に大きく影響する可能性がある。しかし、預託哺育・育成牧場における飼養管理はその経営主体や地域により多様である。本研究では、預託哺育・育成牧場間の育成期における増体の差異とその要因について検討した。【方法】道内の預託哺育・育成牧場のうち上川2戸、十勝4戸、釧路1戸、根室3戸の計10戸について、飼料給与量等に関するアンケート調査および体重測定を行なった。体重は各牧場50頭程度について0、2、6、10ヶ月齢に測定した。分位点回帰により得られた各牧場における発育曲線をもとに、牧場間の発育の差異を比較した。また、飼養管理と増体との関連を検討した。【結果】分位点回帰により、10ヶ月齢までの増体パターンに牧場間で差異が認められた。哺育期の平均日増体量は牧場間で0.54から0.81 g/日までの幅があり、10ヶ月齢時体重の推定値は最小の牧場で240 kg、最大の牧場で339 kgであり約100 kgの差が認められた。牧場ごとの哺育期日増体と10ヶ月齢時体重には正の相関の傾向が認められた(r = 0.60, P = 0.068)。代用乳給与量が多い牧場では哺育期日増体と10ヶ月齢体重が高かったが、10ヶ月齢時体重は育成期の配合飼料給与量では説明できなかった。