[IYS-06] 脱抗生物質添加飼料を目指した離乳子豚における植物由来タンニンの有効性に関する研究
家畜の成長促進を目的として抗菌性飼料添加物が広く利用されてきたが、薬剤耐性菌の抑制を目的として世界的にその使用が廃止される情勢にある。タンニンは殺菌や抗酸化作用を有することから、離乳期における子豚の抗菌性飼料添加物に対する代替物になる可能性が考えられる。そこで、本研究ではタンニン混合物 (MGM-P)を給餌した際の子豚への有効性を検討した。
早期離乳 (21d)子豚を3群に分け、0% (対照群)、0.2%および 0.3% の MGM-P を添加した飼料を 20 日間にわたって給餌した。給与 1、7、14、20 日目に平均増体重 (ADG)、平均飼料給餌量 (ADFI)、飼料要求率 (FCR)、血液検査および下痢発症率についてデータを取得した。給与終了後に病理解剖を実施した。
対照群と 0.2% 添加群では下痢を呈する豚が確認されたが、0.3% 添加群では下痢の発症は認められなかった。ADG、ADFI および FCR については、MGM-P添加による影響は認められなかった。白血球数と好中球数は、14 日目において対照群に比べて 0.3% 添加群の方が有意に低かった。病理組織検査では対照群に比べて 0.3% 群で空腸絨毛の高さの有意な増加、回腸陰窩の深さと結腸粘膜の厚さに有意な減少が確認された。
MGM-P の給与は早期離乳した豚の腸に形態学的な変化を及ぼすと共に下痢の発症を抑制したことから、代替飼料添加物として有効である可能性が示唆された。
早期離乳 (21d)子豚を3群に分け、0% (対照群)、0.2%および 0.3% の MGM-P を添加した飼料を 20 日間にわたって給餌した。給与 1、7、14、20 日目に平均増体重 (ADG)、平均飼料給餌量 (ADFI)、飼料要求率 (FCR)、血液検査および下痢発症率についてデータを取得した。給与終了後に病理解剖を実施した。
対照群と 0.2% 添加群では下痢を呈する豚が確認されたが、0.3% 添加群では下痢の発症は認められなかった。ADG、ADFI および FCR については、MGM-P添加による影響は認められなかった。白血球数と好中球数は、14 日目において対照群に比べて 0.3% 添加群の方が有意に低かった。病理組織検査では対照群に比べて 0.3% 群で空腸絨毛の高さの有意な増加、回腸陰窩の深さと結腸粘膜の厚さに有意な減少が確認された。
MGM-P の給与は早期離乳した豚の腸に形態学的な変化を及ぼすと共に下痢の発症を抑制したことから、代替飼料添加物として有効である可能性が示唆された。