The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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パラレルシンポジウム

パラレルシンポジウムII
畜産学における組織幹細胞研究の現在・未来

Wed. Sep 15, 2021 3:00 PM - 5:20 PM パラレルシンポジウム1(原) (オンライン)

Chairperson:Hara Kenshiro

4:35 PM - 4:55 PM

[PSY2-05] 筋幹・前駆細胞の維持と加齢

*Tohru Hosoyama1 (1. National Center for Geriatrics and Gerontology)

骨格筋と心臓は、ともに高い収縮力を有する組織・臓器であるが、再生能力には大きな違いがある。この違いを生む一要因として組織・臓器内の幹細胞の有無が考えられ、例えば、組織幹細胞が存在する骨格筋では高い組織再生が認められる。一方、幹細胞が存在しない心臓においても極めて限定的ながら再生能が備わっており、これには内在する種々の前駆細胞の関与が指摘されている。骨格筋と心臓はいずれも加齢に伴ってその組織再生能が著しく低下し、結果として生じる異所性細胞浸潤などにより収縮特性などの機能も低下する。その詳細なメカニズムは不明であるが、近年の報告では、加齢が「幹細胞老化」を引き起こす可能性が指摘されている。我々は、加齢や老化をキーワードに、これらの要因が骨格筋と心筋の幹細胞および前駆細胞に与える影響について研究を進めている。本シンポジウムでは、ヒトやマウスなどをモデルとして得た研究成果の一部を紹介するとともに、畜産領域への応用の可能性についてシンポジウム参加者と共に考えてみたい。