The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

5. Animal products technology

畜産物利用1

Wed. Sep 15, 2021 8:50 AM - 12:00 PM 畜産物利用 (オンライン)

Chairperson:Wataru Mizunoya, Keizo Arihara, Yusuke Komiya, Shimosato Takeshi, Kensuke Arakawa

[V-15-03] 食肉に由来する抗酸化ジペプチドが線虫(C. elegans)の寿命に及ぼす影響

*Issei Yokoyama1, Ou Setoyama2, Yaqi Jia1, Yusuke Komiya1, Jun Nagasao1, Keizo Arihara1 (1. Kitasato Univ., 2. Kanagawa Institute of Industrial Science and Technology)

【目的】食肉中にはカルノシン(Car)やアンセリン(Ans)のような抗酸化ジペプチドが存在する。当研究室においてもロイシンおよびリジンからなるジペプチド(LK/KL)の抗酸化作用を見出している。このような抗酸化物質の摂取は、加齢に伴う老化を抑制することが期待される。抗老化作用の解析には、線虫(C. elegans)の寿命を指標とした実験系が利用されており、抗酸化物質の投与により寿命が延長することが報告されている。本研究では、抗酸化作用を有するジペプチドが線虫の寿命に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】LK, KL, Car, Ans(10 mg/mL)のDPPHおよびスーパーオキシドラジカルに対する抗酸化活性を比較した。野生株(N2株)の線虫を飼育する培地に、餌となる大腸菌(OP50株)と各ジペプチドを終濃度10 mg/mLで添加し、すべてが死滅するまでの期間を測定した。得られた生存曲線から各群における線虫の平均寿命を算出した。
【結果】DPPHラジカルに対する活性は、ペプチド間で大きな差はみられなかった。一方、スーパーオキシドラジカルに対してはAnsが最も高い活性を示し、LKはCarと同等の抗酸化活性を示した。これらジペプチドを線虫に対して投与した結果、対照群と比較してLKおよびKLの投与により線虫の平均寿命が延長し、その効果はLKで顕著であった。