9:45 AM - 10:00 AM
[IYS-04] ルーメン上皮におけるインターロイキン-1β(IL-1β)の役割について
【目的】我々は以前、離乳前後のルーメン内の環境変化により、ルーメン上皮での防衛反応の調節因子としてIL-1βを報告している。しかし、ルーメン上皮でのIL-1βの詳細な生理的作用機構については不明である。したがって、本実験ではルーメン上皮におけるIL-1βの生理的役割を明らかにすることを目的とした。
【材料と方法】(実験1)ホルスタイン種雄仔ウシ(3頭、35日齢)のルーメン絨毛組織において免疫組織化学染色により、IL-1βの局在を解析した。(実験2)培養ルーメン上皮細胞にSCFA、LPS、フラジェリン処理を行い、IL-1βの遺伝子発現量を解析した。(実験3)IL-1βによる培養ルーメン上皮細胞の細胞増殖能はMTTアッセイにて、また、IL-1βによるタイトジャンクションの変化は経上皮電気抵抗値(TER)の測定で解析した。
【結果】(実験1)ルーメン組織においてIL-1βは上皮組織の4層で発現していた。(実験2)培養ルーメン上皮細胞にSCFA、LPS、フラジェリン処理により、IL-1βの遺伝子発現量が有意に高かった。(実験3)MTTアッセイより、コントロール区と比較して、IL-1β処理区では有意に高かった。IL-1β処理によるTERには有意差は認められなかった。以上の結果より、ルーメン上皮が損傷を受けるとIL-1βは細胞の増殖を促進し、その修復に寄与することが示唆された。
【材料と方法】(実験1)ホルスタイン種雄仔ウシ(3頭、35日齢)のルーメン絨毛組織において免疫組織化学染色により、IL-1βの局在を解析した。(実験2)培養ルーメン上皮細胞にSCFA、LPS、フラジェリン処理を行い、IL-1βの遺伝子発現量を解析した。(実験3)IL-1βによる培養ルーメン上皮細胞の細胞増殖能はMTTアッセイにて、また、IL-1βによるタイトジャンクションの変化は経上皮電気抵抗値(TER)の測定で解析した。
【結果】(実験1)ルーメン組織においてIL-1βは上皮組織の4層で発現していた。(実験2)培養ルーメン上皮細胞にSCFA、LPS、フラジェリン処理により、IL-1βの遺伝子発現量が有意に高かった。(実験3)MTTアッセイより、コントロール区と比較して、IL-1β処理区では有意に高かった。IL-1β処理によるTERには有意差は認められなかった。以上の結果より、ルーメン上皮が損傷を受けるとIL-1βは細胞の増殖を促進し、その修復に寄与することが示唆された。