栄養・飼養Ⅱ

[III-20-18] 高圧蒸煮処理した木質飼料給与がホルスタイン種去勢肥育牛の増体成績に及ぼす影響

*Saya Fukushima¹, Kazuaki Ito¹, Toshihiro Nade², Ryo Hiyama⁴, Shintaro Nakai³, Fukuma Naoki² (1. Obihiro Univ. of Agriculture and Veterinary Medicine Graduate School of Animal and Veterinary Sciences and Agriculture, 2. Obihiro Univ. of Agriculture and Veterinary Medicine School of Agriculture and Animal Science, 3. ACE-CLEAN Co., Ltd., 4. Hokkaido Research Organization, Forest Research Department Forest Products Research Institute)

【背景と目的】 我が国の粗飼料は約24％を輸入に頼っている。そこで質・量の安定した国産粗飼料の供給および畜産業の持続的展開に向けて、国土の66％を占める森林資源を活用したシランカバ材粗飼料の活用を試みた。高圧蒸煮処理したシランカバ材粗飼料をホルスタイン去勢牛に給与し、肥育期間中の増体成績を評価し、森林資源の利用による付加価値向上の可能性を検討することを目的とした。 【材料と方法】 供試牛は2021年8月に生まれたホルスタイン種肥育去勢牛20頭を用いた。肥育期間は約8カ月齢から約18カ月齢までとした。対照区には慣行TMRを、試験区には慣行TMRに加え高圧蒸煮処理シラカバ材粗飼料を500 g/頭・日に設定し、1日1回夕方に給与した。経時的評価を行うため、肥育開始から終了時まで1カ月ごとに体重測定を行い、3カ月ごとに体尺測定、血液、ルーメン液および直腸便採取を行った。肥育開始時からの増体成績への影響を評価するため、t検定を用いて統計検定を行った。 【結果】 肥育全期間を通して飼料給与量は試験区で210 kg /頭多かった。一方で、両区間で体重において有意差は見られなかった。また日増体量および肥育開始時からの増体率にも有意差は見られなかった。体尺項目(体高・体長・胸囲・腹囲・胸幅)においても、両区間で有意差は見られなかった。体重および体高から算出した肥育度指数においても両区間で有意差は見られなかった。