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[VI-20-11] 乳成分情報を用いた乳牛の消化管内発酵由来メタン排出量予測式の作成
【背景】地球温暖化抑制に配慮した持続的な畜産物生産にむけて、反芻家畜の消化管内発酵由来メタンの削減が求められる中で、遺伝的にメタン排出量の少ない乳牛集団の造成が考えられている。しかし、育種改良に必要な多数のメタン排出量のデータを現場で収集することは難しい。そこで本研究は、体重、乳成分などの情報よりメタン排出量を予測する式の作成を目的とした。【方法】群馬県畜産試験場および広島大学にて2017年から2020年に収集されたホルスタイン泌乳牛の534記録を式の作成に用いた。また、家畜改良センター新冠牧場にて、2021年に収集された101記録を式の検証に用いた。メタン排出量(L/日)は、スニファー法にてCH4/CO2比を測定し、鈴木らの予測式を用いて推定した(Suzukiら2021)。メタン排出量(L/日)を目的変数とし、説明変数に体重、エネルギー補正乳量、乳脂率、乳タンパク質率、乳糖率、Denovo脂肪酸割合、Mixed脂肪酸割合、Preformed脂肪酸割合を用い、Stepwise法による変数選択により重回帰式を作成した。【結果】Preformed脂肪酸割合以外の7変数を用いた場合に、自由度調整済み決定係数が0.80の当てはまりよい回帰式となった。検証データを用いた回帰推定値と実測値の決定係数は0.77であったが、全体的に予測値は実測値より高く推定される傾向にあった。