[ODP-024] Campylobacter菌の酸耐性株取得のための酸処理および培養条件の検討
【目的】Campylobacter菌は多くの食中毒の原因となっている。本菌は少ない菌数でも胃内の強酸性環境を通過し,腸内で増殖することで食中毒を引き起こす。しかし,強酸性条件下をどのようなメカニズムで生残するかは詳細には解明されていない。我々は,ヒトに食中毒を引き起こすCampylobacter jejuniの酸耐性メカニズムの解明を目的に実験室進化を試みたが,酸処理条件が安定しなかったため酸耐性株の取得には至らなかった。本研究では,酸処理および培養条件の検討を行った。
【方法】供試菌として,C. jejuni の標準株であるNCTC11168および81-176を用いた。OD660= 0.01に調整した菌液を24時間培養し,この菌液30 μLを酸性に調整したMueller Hinton液体培地 2970 μLに加えて酸処理後,寒天培地にひろげ48時間培養した。酸処理および培養では,42℃または37℃,および10% CO2 の有無に対する影響を検討した。酸処理後の酸化ストレスに関しては,嫌気状態で48時間培養してから10% CO2, 18% O2 下で24時間培養した。
【結果・考察】pH3.0, 3.3, 3.5で30分酸処理した場合,pH3.5でしかコロニーは形成されなかった。酸処理中は 10% CO2 存在下の方が生残率は低下したが,温度の影響は認められなかった。酸処理後の培養では,温度の影響も,酸化ストレスの影響もあまり無いものと判断した。現在,CO2 濃度と酸処理時間の影響を検討している。安定した酸処理条件を設定後,臨床分離株の酸耐性を比較する。
【方法】供試菌として,C. jejuni の標準株であるNCTC11168および81-176を用いた。OD660= 0.01に調整した菌液を24時間培養し,この菌液30 μLを酸性に調整したMueller Hinton液体培地 2970 μLに加えて酸処理後,寒天培地にひろげ48時間培養した。酸処理および培養では,42℃または37℃,および10% CO2 の有無に対する影響を検討した。酸処理後の酸化ストレスに関しては,嫌気状態で48時間培養してから10% CO2, 18% O2 下で24時間培養した。
【結果・考察】pH3.0, 3.3, 3.5で30分酸処理した場合,pH3.5でしかコロニーは形成されなかった。酸処理中は 10% CO2 存在下の方が生残率は低下したが,温度の影響は認められなかった。酸処理後の培養では,温度の影響も,酸化ストレスの影響もあまり無いものと判断した。現在,CO2 濃度と酸処理時間の影響を検討している。安定した酸処理条件を設定後,臨床分離株の酸耐性を比較する。