The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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5 Pathogens and Infectious Diseases (including Epidemiology)

[ODP5D] d. Epidemiology, and Molecular Epidemiology

[ODP-104] Genetic profiling and pan-genome analysis of pneumococcal strains isolated in Myanmar

○Masaya Yamaguchi1, Hpoo Pwint Myo Win2, Masayuki Ono1, Kotaro Higashi1, Yujiro Hirose1, Mya Mya Aye2, Moh Moh Htun2, Hlaing Myat Thu2, Shigetada Kawabata1 (1Dept. Oral Mol. Microbiol., Osaka Univ. Grad. Sch. Dent., 2Bacteriol. Res. Div., Dept. Med. Res., Min. Health Sports.)

肺炎球菌は,肺炎の主たる原因菌として知られている。本研究では,ミャンマーで分離された肺炎球菌のゲノム配列を世界で初めて解読するとともに,ゲノム情報に基づく分子疫学解析を行った。
ミャンマーのヤンゴン小児病院における急性呼吸器感染症の患児300症例のうち,60症例から分離されたα溶血性のレンサ球菌について,ショートリードシーケンサーにてゲノム解読を行った。Average nucleotide identity解析を行ったところ,60株中58株が肺炎球菌で,2株がStreptococcus mitisであることが示唆された。データベースへのマッピングによる解析で,莢膜型などの遺伝子プロファイリングとmultilocus sequence typingを試みた。莢膜型は,4割以上が13価ワクチンのカバーする型で,19F型がもっとも多く11株,ついで6E型が7株存在し,他に15種類の型が認められた。また,すべての株にキノロン耐性遺伝子が存在し,マクロライド耐性遺伝子が22株で,テトラサイクリン耐性遺伝子が37株で検出された。multilocus sequence typingの結果,58株が39種類の型に分類され,うち14株が新規のsequence type 15477から15487に分類された。次に,解析プログラムRoaryにてパンゲノム解析を行い,1268遺伝子がコア遺伝子,3857遺伝子がアクセサリー遺伝子に分類された。また,ゲノム配列の増加に伴い新規遺伝子が増加し続けることから,ミャンマーの集団が持つ遺伝子はさらに多様性があることが示唆された。
以上の結果から,ミャンマーにおいて肺炎球菌の耐性化が進んでいるとともに,菌の遺伝的背景が多様で,他の地域で検出されない系統の菌株が分布していることが示唆された。