The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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6 Virulence Factors and Biophylaxis

[ODP6A] a. Adhesion Factors, and Colonization Factors

[ODP-114] Purification of cell wall-anchored proteins of Streptococcus intermedius

○Ayu Ichijo1, Toshifumi Tomoyasu1,2, Atsushi Tabata1,2, Hideaki Nagamune1,2 (1Div. Bioresour. Sci., Grad. Sch. Sci. & Tech. for Innov., Tokushima Univ., 2Div. Biosci. & Bioindust., Grad. Sch. Tech., Indust. & Soc. Sci., Tokushima Univ.)

【目的】ヒト口腔内常在菌のS. intermedius(SI)は,日和見的に重篤な膿瘍感染症を引き起こす。SIの細胞壁アンカータンパク質(CWAP)であるMsgAやNanA等のグリコシダーゼは,主要病原因子インターメディリシン(ILY)の発現に深く関わっている。SIは,それら以外のCWAPとして細胞外マトリックスのヒアルロン酸の分解に関わるヒアルロニダーゼ(HylA),コラーゲンやフィブロネクチンへの結合に関わるドメインを持つタンパク質(Cna,Fct)を保有する。本研究では,それらCWAPが病原性に果たす役割を解析するために,各CWAPの精製を行なった。
【方法】6Hisタグを連結したHylA,Cna,Fctを作製しNi-NTA樹脂を用いて精製した。なお,Fctは通常条件では過剰産生が困難なため,大腸菌の主要プロテアーゼ破壊株で低温(15℃)にて発現させた。
【結果と考察】これまでの解析から,ヒト血漿(HP)中に含まれるILY等の病原因子に対する中和抗体量には個人差があることがわかっている。そこでILYに対して強い中和活性を持つHPと弱いもの各5種類を用いてHylA,Cna,Fctに対する抗体価を測定した。その結果,ILYに対する中和活性が強いHPの中に,高いFct抗体価を示すものが2種類存在することがわかった。従って,SI感染時にFctも抗原として認識されている可能性が考えられる。今後,CWAPがSIの感染部位への定着などに果たす役割についての解析を進める予定である。
【会員外共同研究者:下浦 洵哉(徳島大・生物工),出口 真理(徳島大院・生命テクノサイエンス)】