The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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6 Virulence Factors and Biophylaxis

[ODP6B] b. Toxins, Effectors, and Bioactive Substances

[ODP-142] Involvement of siderophore activity of Ralstonia solanacearum in its virulence

○Yuki Terazawa1, Chika Takemura1, Wakana Senuma1, Akinori Kiba1, Kouhei Ohnishi1, Kenji Kai2, Yasufumi Hikichi1 (1Fac. Agri. & Marine Sci., Kochi Univ., 2Sch. Life & Environmental Sci., Osaka Pre Univ.)

シデロフォア(Sdp)による鉄イオンの獲得は細菌の恒常性とともに病原性に重要である。グラム陰性細菌で250以上の植物種に萎凋症状をもたらすRalstonia solanacearum(青枯病菌)の病原性へのSdpの関与を解析するために,ゲノム情報よりSdp活性に関わるpolyketide synthaseとsiderophore biosynthesis oxidoreductaseをコードすると推定されたRSc1810遺伝子(RSc1810)とiucD遺伝子(iucD)それぞれの欠損株 ΔRSc1810とΔiucDを,青枯病菌OE1-1株から作製した。ΔRSc1810はSdp活性を失ったが,ΔiucDはOE1-1株よりも有意に高いSdp活性を示した。ΔRSc1810はOE1-1株と同等の病原性を示したが,ΔiucDは病原性を失った。OE1-1株では,クオラムセンシング(QS)起動時に,転写制御因子PhcAとQSシグナルMethyl 3-hydroxymyristate感知によりリン酸化されたレスポンスレギュレーターPhcQにより,主要な病原性関連遺伝子の発現は制御される。OE1-1株のSdp活性はQSにより抑制された。トランスクリプトーム解析から,RSc1810の発現はPhcAにより抑制され,iucDの発現は,PhcAとリン酸化PhcQにより誘導されることが明らかとなった。さらに,iucD欠損により,QSによる遺伝子発現制御は破綻した。これらの結果から,過剰なSdp活性は,青枯病菌のQSによる遺伝子発現制御を破綻させ,青枯病菌の病原性の喪失につながると考えられた。そして,QSによるiucDの発現誘導により,Sdp活性を抑制し,QSによる遺伝子発現制御を維持させると考えられた。