The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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6 Virulence Factors and Biophylaxis

[ODP6G] g. Others

[ODP-186] P. aeruginosa suhB and pili-associated genes related to bacterial translocation and virulence in fly

○Chigusa Suezawa, Masashi Yasuda, Satoshi Yamane, Syouya Nagata, Chinami Kunikata, Jun Okuda (Div. Microbiol., Dept. Med. Tech., Kagawa Pref. Univ. of Health Sci.)

【目的】我々は,これまでに緑膿菌PAO1株のCaco-2細胞層透過に関与する21種類の遺伝子を同定した。本研究では,その中からsuhB遺伝子及び12種類の線毛関連遺伝子に着目し,緑膿菌の既知の病原性への関与について解析を行った。
【方法】野生株,suhB遺伝子変異株及びsuhB遺伝子相補株を用いて,Caco-2細胞層透過性,運動性,IV型線毛タンパク質PilA,Caco-2細胞付着性,III型分泌機構エフェクターExoS,エラスターゼ,exotoxin A及びショウジョウバエ致死活性について評価を行った。また,線毛関連遺伝子変異株を用いて,IV型線毛タンパク質PilA,Caco-2細胞付着性及びショウジョウバエ致死活性について評価を行った。
【結果と考察】suhB遺伝子の変異は,Caco-2細胞層透過活性,運動性,Caco-2細胞付着性,エフェクターExoS,エラスターゼ,exotoxin A及びショウジョウバエ致死活性の有意な低下を引き起こし,細胞表面PilAはsuhB遺伝子変異株では検出されなかった。また,12種類の線毛関連遺伝子の変異は,Caco-2細胞付着性及びショウジョウバエ致死活性の有意な低下を引き起こし,これらの変異株では細胞表面PilAは検出されなかった。本結果は,緑膿菌の既知の病原性へのsuhB遺伝子及び線毛関連遺伝子の関与を示唆している。本研究成果は,緑膿菌suhB遺伝子機能の不活性化は,緑膿菌によって引き起こされる腸管経由内因性血液感染を予防する可能性があることを示唆するものである。