[ODP-226] Exploration of amino acid as an indicator for proliferative activity of Escherichia coli
【背景】我々の先行研究により,細菌の増殖に必須な栄養素であるアミノ酸を用いることで,実験室株である大腸菌(K-12株)の増殖活性の変化を評価できることを見出している。本研究では,大腸菌の臨床分離株においてもアミノ酸が有用であるかどうかを検討するために,マウスに感染する同臨床分離株が増殖する際に特異的に取り込むアミノ酸の検索を行った。
【方法】臨床分離大腸菌(EC-14株)をアミノ酸不含有培地で一定時間培養し,放射性トリチウム(3H)で標識した8種類のアミノ酸をそれぞれ5分間取り込ませた。洗浄後,菌体内に集積した放射能を測定した。また,免疫抑制処理を施したマウス(Jcl:ICR ;雄;4週齢)の腓腹部にEC-14株を感染させ,一定時間経過後に3種類の標識アミノ酸をそれぞれ静脈投与した。マウスの感染腓腹部ならびに血液と主要臓器を採取し,各単位重量組織中の放射能を測定した。
【結果・考察】臨床分離大腸菌EC-14株の増殖活性が対数増殖期にかけて増大するにつれ,検討した全ての中性標識アミノ酸の集積も増大した。このことから,中性アミノ酸は,病原性大腸菌の増殖活性の変化の評価に有用である可能性が示された。また,ある中性標識アミノ酸において,EC-14株を感染させたマウスの腓腹部への集積が,健常腓腹部への集積と比べて最大4.37倍であった。以上から,ある中性アミノ酸は,イメージングによる細菌感染症の早期診断法の開発において,有用なイメージング薬剤候補となり得る可能性が示唆された。
【方法】臨床分離大腸菌(EC-14株)をアミノ酸不含有培地で一定時間培養し,放射性トリチウム(3H)で標識した8種類のアミノ酸をそれぞれ5分間取り込ませた。洗浄後,菌体内に集積した放射能を測定した。また,免疫抑制処理を施したマウス(Jcl:ICR ;雄;4週齢)の腓腹部にEC-14株を感染させ,一定時間経過後に3種類の標識アミノ酸をそれぞれ静脈投与した。マウスの感染腓腹部ならびに血液と主要臓器を採取し,各単位重量組織中の放射能を測定した。
【結果・考察】臨床分離大腸菌EC-14株の増殖活性が対数増殖期にかけて増大するにつれ,検討した全ての中性標識アミノ酸の集積も増大した。このことから,中性アミノ酸は,病原性大腸菌の増殖活性の変化の評価に有用である可能性が示された。また,ある中性標識アミノ酸において,EC-14株を感染させたマウスの腓腹部への集積が,健常腓腹部への集積と比べて最大4.37倍であった。以上から,ある中性アミノ酸は,イメージングによる細菌感染症の早期診断法の開発において,有用なイメージング薬剤候補となり得る可能性が示唆された。