[ODP-231] Delivery of an Anti-inflammatory Bacterial Toxin to Macrophages Using PLGA-Nanoparticles
【目的】サイトカインや一酸化窒素(NO)などの炎症メディエーターの過剰産生は自己免疫性疾患の発症や進展に関わる。腸管出血性大腸菌が産生するSubtilase cytotoxin(SubAB)はマクロファージのNO産生を抑制することが発見された。そこでSubABをマクロファージだけに送達することができれば抗炎症剤として応用することが可能であるとの着想に至った。本研究では生分解材料である乳酸グリコール酸重合体(PLGA)ナノ粒子を利用したSubAB送達キャリアを設計を設計することを目的とした。
【方法】PLGAナノ粒子(PLGA NPs)はエマルション法によって作製した。PLGA NPsの表面をニッケル(Ni)配位錯体にて化学修飾し,さらにHis-tag融合組換えSubAB毒素を結合させた。これをマウスマクロファージ株J774.1細胞やヒト上皮細胞株HeLa細胞に処理した。誘導型NO合成酵素(iNOS)やCHOPの発現はウエスタンブロット法にて評価した。
【結果と考察】SubAB wild typeで修飾したPLGA NPs(PLGA-WT)ではマクロファージ特異的な送達は実現できなかった。そこで,SubABのBサブユニットの変異体である。SubABS35A (S35A) を修飾したPLGA-S35Aを調製した。PLGA-WT,PLGA-S35Aはコントロールと比較して,J774.1細胞のiNOSの発現抑制が認められた。HeLa細胞のCHOPの発現を評価した結果,PLGA-WTでは,CHOPの発現が確認されたが,PLGA-S35Aでは確認できなかった。従って,PLGA-S35AはHeLa細胞に取り込まれにくいことが示唆された。以上の結果から,S35AをPLGA NPsに修飾させることで,抗炎症剤としての応用が期待される。
【方法】PLGAナノ粒子(PLGA NPs)はエマルション法によって作製した。PLGA NPsの表面をニッケル(Ni)配位錯体にて化学修飾し,さらにHis-tag融合組換えSubAB毒素を結合させた。これをマウスマクロファージ株J774.1細胞やヒト上皮細胞株HeLa細胞に処理した。誘導型NO合成酵素(iNOS)やCHOPの発現はウエスタンブロット法にて評価した。
【結果と考察】SubAB wild typeで修飾したPLGA NPs(PLGA-WT)ではマクロファージ特異的な送達は実現できなかった。そこで,SubABのBサブユニットの変異体である。SubABS35A (S35A) を修飾したPLGA-S35Aを調製した。PLGA-WT,PLGA-S35Aはコントロールと比較して,J774.1細胞のiNOSの発現抑制が認められた。HeLa細胞のCHOPの発現を評価した結果,PLGA-WTでは,CHOPの発現が確認されたが,PLGA-S35Aでは確認できなかった。従って,PLGA-S35AはHeLa細胞に取り込まれにくいことが示唆された。以上の結果から,S35AをPLGA NPsに修飾させることで,抗炎症剤としての応用が期待される。