[SODP-04] 嫌気性細菌を分取・単離する新技術を用いたアプローチ
株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズは,Water in Oil(W/O)ドロップレットおよびゲルマイクロドロップ(GMD)技術を利用した装置を販売しております。W/Oドロップレットは油相の中に球状水相を作製し,その中に試薬・培地や微生物・細胞を閉じ込めることができる技術で,直径30-100μm程度の微小な区画を短時間で沢山作りシングルセル封入する器となります。この器は水溶液にゲルを混ぜることによりGMDを作製することもできます。GMDは周囲をオイルではなく水溶液に置き換えることができます。W/Oドロップレットは,周囲がオイルであるため水溶液ドロップ中に基質や分泌物反応系を後から作用させることは難しいのですが,GMDは封じ込めた細菌そのものを染色することもできますし,細菌の分泌物を染色することも可能です。このように蛍光染色した細菌はOn-chip Sortでソーティングすることが出来ます。本技術は,これまで寒天培地やウェルプレートで膨大な数と時間を費やしてきたスクリーニングの代替えと成り得る技術です。紹介する弊社3製品はそれぞれが嫌気チャンバー内に装置ごと入れることができるサイズになっており,細かい作業が困難な嫌気チャンバー内でも操作できるようになっています。そのため嫌気性細菌においてもスクリーニングが可能となります。例えば腸内細菌の研究においてソーティングが必要になることもあるかと思います。このようなとき操作・メンテナンスが容易な小型セルソーターが重宝されます。本発表は,GMDを利用したシングルセル培養とそのソーティング・単離等の一連のワークフローを紹介すると共に細かい技術紹介を致します。