第94回日本細菌学会総会

講演情報

ワークショップ

[WS1] ワクチン開発を進めるきっかけとなった細菌学・免疫学研究

2021年3月23日(火) 13:00 〜 15:00 チャンネル3

コンビーナー:木村 聡一郎(東邦大学),中尾 龍馬(国立感染症研究所)

[WS1-3] 細菌学研究・感染免疫研究の知見に基づくワクチン開発

○金城 雄樹1,2,3 (1慈恵医大・細菌学,2慈恵医大・バイオフィルム研究センター,3東北大・感染制御インテリジェンスネットワーク)

病原性細菌は種々の病原因子を用いて,皮膚や粘膜などの上皮細胞に定着し,生体内に侵襲することにより,感染症を引き起こす。細菌学研究を通して,病原性細菌の巧妙な生存戦略を明らかにすることは,病原性細菌による感染症の発症および増悪機構の解明につながると共に,細菌感染症を制御する治療法の開発や感染症を予防する新たなワクチン抗原の発見につながる可能性がある。また,病原性細菌の感染に対する生体防御機構の解析研究を通して,その感染症の制御や予防に重要な免疫学的機序を明らかにすることが可能となる。私達はこれまで,病原性細菌の感染防御に重要な役割を担う免疫応答の解析を行ってきた。その研究から得られた知見をもとに,ワクチン開発研究を展開している。本発表では,細菌学研究・感染免疫研究の知見をもとにしたワクチン開発研究への可能性について,私なりに解説したい。特に若手の先生が,現在取り組んでいる研究やこれから取り組む研究の成果をもとに,ワクチン開発の応用研究につなげることを考えるきっかけになれば幸いである。