The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Young Researcher Support Symposium

[YRS3] Promotion of interdisciplinary research

Wed. Mar 24, 2021 9:15 AM - 11:45 AM Channel 2

Conveners: Eiji Tamai (Matsuyama University), Jumpei Uchiyama (Azabu Univ.)

[YRS3-2] Let's start joint research on X-ray crystal structure analysis 2 -pili and lytic enzyme-

○Eiji Tamai (Dept. Infect. Dis., Coll. Pharm., Matsuyama Univ.)

タンパク質の構造と機能は密接に関係しており,構造を知ることは機能発現の仕組みを理解するために非常に重要です。タンパク質の構造を知る手段の1つにX線結晶構造解析があります。しかし,構造解析を行いたいと思っても,どのように始めるのか,どのようなことを行う必要があるのか,得られた構造情報をどのように扱って論文にするかなど不明な点が多くあるのではないかと思います。本発表では,X線結晶構造解析に関して共同研究の実例を紹介しながら,これらの疑問にお答えします。
私たちの最終目的は,細胞壁関連タンパク質がその限られた空間の中でどのように機能しているのかを分子レベルで明らかにすることです。本発表では,ウエルシュ菌の線毛とデフィシル菌の溶菌酵素の構造解析と生化学的解析について紹介します。グラム陽性菌の線毛は,宿主組織への感染やコロナイゼーションに関与しており,線毛構成タンパク質(CppA,CppB)がSortase (SrtC) により共有結合されることにより形成されます。私たちは,X線結晶構造解析よりCppAとSrtCの構造を明らかにしました。得られた構造情報より線毛の構造変化がコロナイゼーションに関与すること,および繊毛構成タンパク質の重合メカニズムを提唱しています。一方,デフィシル菌の溶菌酵素(Acd24020)はデフィシル菌特異的に作用することを明らかにし,そのC末端触媒ドメインの構造を決定しました。得られた構造情報を元に様々な変異体を構築し,生化学的解析を行って,その反応メカニズムと種特異性メカニズムを明らかにしました。これらの異分野共同研究の成果をご紹介させていただきます。