The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

Presentation information

ICD講習会

[ICD] 事前予約者のみ 参加可 ※事前予約者のみにICD事務局からZOOM情報を通知しております)

Thu. Mar 31, 2022 3:30 PM - 6:00 PM Channel 1

Convener: Ken Kikuchi(Tokyo Women’s Medical University)

[ICD-2] COVID-19のワクチン戦略,感染対策

Yoshikazu Muto (Tosei General Hospital)

多くの感染者死者を出した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の台頭から2年が経過した.しかし同時に感染症に対して多くの新しい知見や常識も生まれてきた.
発生当初,全く新しい感染症であり感染対策は医療機関により内容もレベルも様々であり,それは市中でも同様であった.接触,飛沫,マイクロ飛沫感染対策などの対策について社会全体の認識はまだ道半ばであり,現在に至るまで効果の乏しい不適切な対策や過剰な対策を入念に行っている施設もある.しかし一方で例えばマスクの着用に関しては,感染者が着用するというエビデンスがこのCOVID-19により覆ることとなるなど,従来の感染対策の常識もまた大きく変化してきた.そしてmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンといった新しいタイプのワクチンも登場し,高い有効性と生産応力によりすでに100億回に迫る勢いで接種が進んでいる.ワクチンはこのCOVID-19との戦いの命運をわけるものであるが,よりよい接種間隔,接種回数,対象年齢などはまだ議論の余地があり,いかに接種を迅速に進めながら同時に正しい理解を得ていくかというのは歴史上類を見ない難題であろう.
次から次へと新しい情報は,受ける側がその価値や真贋を速やかに判断し,自身の行動に反映していかねばならない.このCOVID-19に対しても同様であるが,同時に普遍的なものも存在する.どのような感染対策にも言えることは,きちんと行う事,そしてそれを継続する事である.ゆえに今回の講習では,COVID-19への感染対策に対する基本的な考え方から実践に加え,これまでとこれからのワクチン戦略について概論し,正しく知るべき情報の共有とアップデートにより,“正しく理解して正しく怖れる”の助力となりたい.