The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP31] 7. Antimicrobial agents and resistance -b. Antimicrobial resistance

[ODP-212/W10-1] Genetic analysis of quinolone resistance in Gemella isolated from clinical specimens

Michiko Furugaito1, Yuko Arai2, Yutaka Uzawa2, Ken Kikuchi2 (1Dept. Central Clinical Laboratory, Kindai Univ. Hospital, 2Dept. Infectious Diseases, Tokyo Women’s Medical Univ.)


【目的】Gemellaはカタラーゼ陰性通性嫌気性グラム陽性球菌で,感染性心内膜炎などの起因菌として知られている.Gemellaの薬剤感受性はβ-ラクタム系薬をはじめ感性であるが,キノロン系薬に高度耐性を示す株が散見される.今回,臨床検体から分離されたGemella のキノロン耐性について解析を行ったので報告する.
【方法】対象株は臨床検体から分離され,16S rDNAでG. morbillorum (GM-group) と同定された22株とG. haemolysans /G. parahaemolysans /G. taiwanensis (GH-group) と同定された31株とした.薬剤感受性検査はCLSI M45-A3に準拠して行った.遺伝子学的解析はgyrase operon全体を増幅するlong PCRを行い,gyrA,gyrB 遺伝子のdirect sequencingで解析した.また,Hi-Seqによる全ゲノム解析を実施した.
【結果】LVFX耐性率 はGM-groupで10.5%,GH-groupで50.0%であった.LVFX耐性株のMICはすべて>8μg/mLと高度耐性を示した.GM-groupはLVFX耐性の2株中1株でgyrAのS83L変異を認めた.GH-groupはLVFX耐性株すべてgyrAのS83FまたはS83Y変異を認めた.Gemella はparC,parE を保有していなかった.このため,gyrA のQRDR変異のみでキノロンに高度耐性化していた.
【考‍察】GemellaHelicobacterMycobacteriumのようにtopoisomerase IV(parC,parE)を保有していないことから,容易にキノロン耐性が生じるものと考えられた.LVFX耐性株は高度耐性を示し,GM-groupよりもGH-groupで高頻度 であった.LVFX耐性株では他の菌種でもよく見られるQRDRと同様にgyrA の83番目のアミノ酸変異を認めたことから,Gemella のキノロン耐性機序にも関与していると考えられた.