The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP32] 7. Antimicrobial agents and resistance -c. Others

[ODP-221] Isolation and susceptibility of ESBL-producing Escherichia coli phage using clinical isolates

Tomoko Hanawa1, Nhat Minh Le1,2, Tomoya Suda3, Mayuko Tanaka1, Yasunori Tanji1,3, Kazuhiko Miyanaga3, Takeaki Matsuda2,4 (1Dept. Infect. Dis, Sch. Med., Kyorin Univ., 2Dept. TCC, Sch. Med., Kyorin Univ., 3Dept. ATT, Sch. Med., Kyorin Univ., 4Dept. Life Sci. and Tech., Sch. Life Sci. and Tec. Tokyo Tech.)


【目的】多剤耐性菌であるESBL産生大腸菌を溶菌するバクテリオファージのライブラリー作成し,ファージ療法の開発を目指している.今回,新たにファージを単離し,ESBL産生大腸菌臨床分離株に対する感受性を調べた.
【材料と方法】杏林大学医学部附属病院で分離された5株(KYE001-005),北海道地域で分離されたHKE001-003 株,ATCC 43888 (O157:H7,-stx1-,stx2-)をスクリーニングホストとして都市部下水流入水よりファージを単離した.ファージの宿主域は,spot法で調査した.臨床分離株のシーケンスタイプ(ST)とESBL CTX-M遺伝子,系統群はそれぞれCica Genus E. coli PCR-based ORF typing Kitまたはmultiplex PCRにより決定した.
【結果と考察】 KYE002, 004, 005およびHKE001株はST131-B2, CTX-M-9に属しており,日本では優勢な遺伝子型であった.KYE003およびHKE003は,ST131-B2であったが,CTX-M9以外であった.KYE001はD,HKE002はB1に属していた.ST131-B2-CTX-M-9に属するKYE株でスクリーニングしたファージは宿主域が類似していた.CTXが異なるKYE003とも類似していた.一方,HKE001でスクリーニングしたファージの宿主範囲は比較的広く,HKE003でスクリーニングしたファージの感受性パターンと類似していた.これらの結果は,宿主菌の選別がファージの宿主域に影響を与えることを意味している.興味深いことに,グループEに属するHKE001と003,ATCC43888では,広い宿主範囲を示すファージが分離された.以上の結果より,広い宿主域を示すファージを得るためには,流行株に加えて過去の流行株や別の遺伝型の菌株を利用することが有用と考えられた.