The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP32] 7. Antimicrobial agents and resistance -c. Others

[ODP-222/W10-3] The Establishment of the ARG-UGS Analysis for the environmental AMR monitoring

Nobuyoshi Yagi, Itaru Hirai (Lab. Microbiol., Sch. Health. Sci., Univ. Ryukyu)


【背景】薬剤耐性(AMR)菌の拡散は,医療関連機関だけでなく,自覚症状のない健康な人(健常人)や環境にまで及んでいる.環境AMR菌の蔓延は,ヒトの健康リスクとなりうることから,AMR菌の環境モニタリングが必要である.我々の直近の研究では,基質特異性拡張型βラクタマーゼ遺伝子(bla CTX-M )の上流側配列約0.5~2kbpを解析することで,その遺伝子構造の違いによってbla CTX-M を分類可能な上流配列(Upstream Genetic Structure; UGS)解析法を確立した.本手法を他の主要なAMR遺伝子(ARG)にも応用することで,環境モニタリングに適した手法となることが期待された.本研究では,UGS解析によって,他のARGもbla CTX-M と同様に分類可能かin silicoによって検討し,他のARGのUGS解析が可能なプロトコルを確立する.
【方法・結果】塩基配列データベースRefSeqから得たバクテリアプラスミド配列46385件をAMRFinderPlusによって解析した結果,764種56676件のARGが検出された.検出されたARGのうち,sulI(3464件),bla CTX-M (1970件),qnrS(717件),mcr-1.1(572件)の上流2kbpを遺伝子構造に依って分類すると,それぞれ354,357,75,89種類に分類可能だった.以上のことから,UGS解析によって,ARGの有無だけでなく,ARGの帰属(プラスミドや菌株)に関する情報をも同時に取得可能であることが示唆された.現在,UGS解析が可能なプロトコルを検討中である.