[P01-02] 応力均一化を実現する樹枝形状の理論探索
キーワード:応力均一化仮説、枝の細り、力学的最適構造、梁のたわみ
樹木の成長過程には様々な制限要因が作用している。特に自重や風圧に対する力学的支持機能は、力学負荷に耐えられる安定した構造を形成するために不可欠である。樹木の著しい特徴は、表面に生じる応力が均一となるよう、樹幹や樹枝を自律的に成長させる点である。この応力均一分布を通じて、局所的に大きな応力(=破断の可能性のある点)と局所的に小さな応力(=光合成生産物の過度な使用)を回避していると信じられている。それでは樹木の枝がどのような形状だと、こうした内部応力の均一分布が達成されるのだろうか?本研究では、自重のみが作用した主枝の平衡状態を微小変形の範囲で計算し、枝の細り形と断面形状が枝のたわみ曲線と応力分布に与える影響を調べた。その結果、外形の変化によってたわみ曲線に大幅な変化がみられない場合でも、曲げ応力分布は非常に大きく変化することが示された。