第23回応用力学シンポジウム

講演情報

ショートプレゼン

ショートプレゼン1

2020年5月16日(土) 10:40 〜 11:45 G会場 (G)

[P01-26] 鋼矢板護岸における腐食実態の画像診断

*萩原 大生1、島本 由麻2、鈴木 哲也3 (1. 新潟大学大学院自然科学研究科、2. 北里大学獣医学部、3. 新潟大学自然科学系(農学部))

キーワード:鋼矢板、腐食、画像解析、テクスチャ

鋼構造のひとつである鋼矢板護岸における極度の腐食劣化の顕在化が問題となっている.腐食実態について非破壊・非接触により評価する場合,鋼矢板表面の可視画像におけるテクスチャ特徴は重要な情報のひとつと考えられる.本研究では,腐食状況の異なる鋼矢板の可視画像に対して同時生起行列を用いたテクスチャ解析を行い,濃淡分布の定量評価について試みた.検討の結果,彩度の色領域において,新設鋼矢板のテクスチャの均質性は腐食鋼矢板と比較して高い値を示すことが確認された.断面欠損を伴う鋼矢板では解析画像において均質性が最も低い値となった. 鋼矢板の形状特徴を考慮し,長辺方向と短辺方向に解析方向を定めて検討した結果,値の相違から空間的異方性が確認された.特に,初期段階における線状の腐食において顕著な相違が確認された.テクスチャの均質性と空間的異方性から,非腐食,腐食および孔食の定量評価の可能性が示唆された.