第23回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第三部門:材料・複雑現象の力学)

材料・複雑現象の力学A

2020年5月16日(土) 09:00 〜 10:30 C会場 (C)

座長:肥後 陽介(京都大学)

[S03A-05] 難透水層を有する海底斜面における地すべり運動に関する研究

*安井 俊平1、岩井 裕正1、木村 真郷1、張 鋒1 (1. 名古屋工業大学)

キーワード:海底地すべり、難透水層、クリープ破壊

海底地すべりは,海底ケーブルの破断や地震動を伴わない津波を引き起こす可能性がある.海底地すべりの特徴として,陸上地すべりと比較すると規模が大きいことや,水中安息角を大きく下回る緩い角度でも発生しうることが知られている.海底地すべりは間隙圧の上昇に伴い,すべり面の有効応力が低下し,せん断抵抗が減少することによって発生するとされているが,その運動について地盤力学的観点から検討した事例は極めて少ない.そこで本研究では,難透水層を有する海底地盤を再現した地盤に水圧を与え,疑似的に海底地すべりを発生させる模型実験を実施し,海底地すべりの形態とすべり変位およびすべり速度について検討を行った.その結果,海底地すべりの挙動は速度の時刻歴から3種類に大別することができた.その中で大規模なすべりにおいては,低速の定常すべりから破壊的なすべりに遷移し,陸上地すべりと類似した挙動を示すことが得られた.