第23回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第三部門:材料・複雑現象の力学)

材料・複雑現象の力学C

2020年5月16日(土) 15:25 〜 17:00 C会場 (C)

座長:小林 俊一(金沢大学)

[S03C-05] 初期構造異方性を考慮したひずみ空間多重せん断モデルによる誘導異方性の表現

*上田 恭平1、井合 進2 (1. 京都大学防災研究所、2. FLIPコンソーシアム)

キーワード:初期構造異方性、誘導異方性、粒状体、構成式、応力-ひずみ

ひずみ空間多重せん断モデルは,任意方向の仮想単純せん断機構の重ね合せに基づいて,粒状体の力学的挙動を表現する.この機構は,粒状体の誘導異方性を反映する内部(微視的)構造を表現するもので,2階のファブリックテンソルを用いて巨視的ひずみが巨視的応力に関連付けられる.同モデルは粒状体の初期構造異方性を考慮するために近年改良がなされており,本研究では粒状体の巨視的な応力ひずみの変化により発生する誘導異方性構造の形成過程に及ぼす初期構造異方性の影響について考察した.巨視的な二軸せん断時の応力空間ファブリックを同モデルを通じて計算したところ,既往の個別要素法を用いた二軸せん断シミュレーションにより得られた接点力の法線成分および接線成分の方向分布を,初期構造異方性を考慮した同モデルにより適切に表現できることがわかった.