第24回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション(第五部門:応用数理問題―計算機科学から社会科学まで)

第五部門:応用数理問題(A)

2021年5月15日(土) 09:00 〜 10:30 E会場 (E会場)

座長:本田 利器(東京大学)

10:15 〜 10:30

[S05A-06] 高詳細三次元地殻構造モデルを用いた断層すべり推定における海底観測網の感度解析

*村上 颯太1、市村 強1、藤田 航平1、堀 高峰2、太田 雄策3 (1. 東京大学地震研究所、2. 海洋研究開発機構 地震津波海域観測研究開発センター、3. 東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター)

キーワード:海底地殻変動観測、断層モデル推定、感度解析、地殻変動、有限要素解析

震源直上の海底地殻変動観測網は,海溝型地震の震災シナリオ高度化のためのプレート間状態推定に大 きな役割が期待されている.この観測網の有効性を定量的に示すため,地震時すべり分布と地震間すべり 欠損分布の推定精度を定量的に評価する方法を提案する.地形とプレート境界形状の影響を適切に考慮す るため,高詳細三次元地殻構造モデルから大規模有限要素モデルを構築し,地殻変動解析のためのグリー ン関数を計算する.次に,このグリーン関数を用いた最適化による多数回のインバージョンを行うことに より,測定誤差の多様性を考慮した海底地殻変動観測の観測点数の影響と測定誤差の影響を統計的に評価 する.千島海溝近傍の高詳細三次元地殻構造モデルと観測点情報を用いた定量的な評価を行い,海溝軸付 近の海底地殻変動の観測がプレート間すべりの推定性能に重要な役割を果たしていることが示された.