第24回応用力学シンポジウム

講演情報

企画セッション(リスク評価とその応用)

【企画】リスク評価とその応用

2021年5月15日(土) 15:25 〜 16:55 E会場 (E会場)

座長:福永 勇介(国土技術政策総合研究所)

15:55 〜 16:10

[SS02A-03] 実データに基づくベイズ推論による係留施設の地震時フラジリティ曲線の構築

*菅原 法城1、福永 勇介1、宮田 正史1、住岡 直樹1,2 (1. 国土交通省 国土技術政策総合研究所、2. 株式会社 エコー)

キーワード:フラジリティ曲線、ベイズ推論、係留施設

本研究では,港湾における係留施設のフラジリティ曲線(FC)を,全国の被災・無被災記録を用いて推定する.FCの推定は,サンプリング手法であるマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いたベイズ推論に基づき行う.また,階層ベイズモデルを用いて,施設の構造形式等の属性情報を有効に活用し,推定に盛り込む方法も検討する.なお,比較対象として,一般的なFCの推定法として用いられてきた方法でも計算を行い,本研究による手法との相違について計算結果を基に考察する.

 結果として,構造物の重要な属性情報を有効に活用して,FCを推定するモデリング方法を提案した.提案モデルでは,複数の属性グループが混じったデータであっても,それらを同時使用して推定することで,極端にデータの少ない属性グループがあっても,データ全体を使用して有効に推定できる.また,階層ベイズモデルで表現したことにより,情報を様々な形で取り込める発展性を与えられた.