第25回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第一部門:物理数学力学問題 ー物理現象のモデル化から逆問題までー)

第1部門②

2022年5月28日(土) 10:40 〜 12:10 A会場 (オンライン)

座長:佐藤 太裕(北海道大学)

11:25 〜 11:40

[2A07-12-04] テーパー形状と中空断面が自重座屈耐性に与える影響

*金浜 瞳也1、佐藤 太裕1 (1. 北海道大学)

キーワード:樹木、構造特性、自重座屈、限界高さ、テーパー形状、中空断面

自然界の植物には,先端に向かって細くなっていくテーパー形状のように,共通した形状的特徴が存在する。これは,全てに等しく作用する「重力」に起因していると推測できる。テーパー形状は,重力抵抗性を飛躍的に高めることが明らかにされている。これに対し,「断面の中空化」もまた重力抵抗性を高める有効な戦略と考えられるが,背の高い植物のほとんどは,テーパー形状のみを有している。この事実を力学的に洞察することは,バイオニックデザインの観点から,合理的な構造設計のヒントとなる植物の力学的叡智を獲得することに繋がると考えられる。
 本研究の目的は,テーパー形状および中空断面が自重座屈耐性に与える影響を明らかにすることである。植物を様々なテーパーと空洞を持つ円柱としてモデル化し,限界高さの理論解を導出した。その結果,体積一定条件下では,テーパー形状と断面の中空化による影響は,ほとんど同程度であることが分かった。