第25回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第二部門:計算力学)

第2部門④

2022年5月28日(土) 17:10 〜 18:40 B会場 (オンライン)

座長:車谷 麻緒(茨城大学)

17:25 〜 17:40

[2B25-30-02] 密度流の数値解析における圧力計算の前処理法

*本西 亮太1、鳥生 大祐1、牛島 省1 (1. 京都大学)

キーワード:非圧縮性流体計算、前処理法、圧力ポアソン方程式、密度流、ブシネスク近似、Bi-CGSTAB法、マルチグリッド法、不完全LU分解、SOR法、水門開放問題

非圧縮性の密度流の数値計算を行う場合には,圧力ポアソン方程式から導かれる連立1次方程式に効果的な前処理を利用することは,計算時間を短縮する上で重要である.密度の時間・空間的な変化により,ブシネスク近似が使われる場合と使われない場合がある.このブシネスク近似の有無により,圧力計算で用いる係数行列の性質が異なり,これは計算効率にも影響すると考えられる.本論文では,密度流の代表例の1つである,lock-exchange問題を対象として,Bi-CGSTAB法で用いられる3つの前処理法(ILU分解,SOR法,Multigrid法)の効果について,ブシネスク近似を用いる場合と用いない場合の計算を行い,計算時間を比較検討した.その結果,密度流のスレッド並列計算においては,ブシネスク近似の有無にかかわらず,Multigrid法を前処理として用いることで,計算時間の短縮が可能であることが示された.