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[14001-04-02] 伝統河川工法「聖牛」周りの3次元水理乱流特性に関する研究(シンポジウム講演概要)
キーワード:伝統河川工法、聖牛、局所流、乱れ特性
伝統河川工法「聖牛」は丸太を三角錐の形に組み上げ,足の部分に錘となる蛇籠を置き,川底へ設置する日本古来の工法である.本研究では,洪水時における聖牛の水理機能に着目し,強い3次元局所流構造と乱れ特性について実験によって検討を行った.その結果,聖牛背後では広範囲にわたる低流速域の形成,天端越流や主流域縮幅による主流速の著しい増加,水はねによる横断流速の加速等が見られた.また,聖牛の特殊な枠構造と下部錘によって,局所的な下降流と上昇流等複雑な流れが生じ,乱れエネルギーも場所によって大きく異なることが確認された.聖牛は流れの多様性を創出するだけでなく,背後水域上下層間の鉛直混合と聖牛域・主流域間の横断混合を促すことが期待される.