一般社団法人日本心エコー図学会第31回学術集会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム5(S5) 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)と心エコー 

2020年8月14日(金) 09:00 〜 10:30 第3会場

座長:芦原 京美(東京女子医科大学 循環器内科)

脳梗塞の原因はさまざまであるが、心源性、アテロームやラクナ梗塞のみならず、塞栓源不明の脳梗塞:ESUSが注目されてきている。ESUSとは、①単一穿通枝領域脳梗塞(ラクナ梗塞など)ではないことをMRI(CT)で判定したうえで、②梗塞巣に関連する頸部動脈または脳動脈の閉塞ないし50%以上の狭窄が存在しないこと、③高リスクの塞栓源心疾患が存在しないこと、④大動脈原性脳塞栓症の確診例ではないこと、⑤脳梗塞を起こしうる特殊な原因(血管炎、動脈解離、可逆性脳血管攣縮症候群、薬剤不正使用、血栓性素因、悪性腫瘍など)が存在しないことを条件とする塞栓源不明の脳梗塞である。ESUSの診断に心エコーは必須であり、近年では卵円孔開存(PFO)を介する血栓が原因となって発症する奇異性(潜因性)塞栓の再発をデバイス閉鎖術により予防できることもわかってきた。塞栓リスクの高い、いわゆる高リスクPFOの形態診断もまた心エコーで行われる。したがって今後は、PFO閉鎖を要する症例の選別など、循環器領域でのより正確なPFO診断が必須になるものと考えられる。本シンポジウムでは、デバイス閉鎖治療の特徴と適応や症例選択の方法など、ESUSを取り巻く今日的な話題を取り上げる。

*時田 祐吉1、関 俊樹1、内山 沙央里1、萩原 かな子1、小玉 麻衣1、星 綾1、泉 佑樹3、山本 剛2、本間 博1、清水 渉1,2 (1. 日本医科大学付属病院 循環器内科、2. 日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療科、3. 榊原記念病院 循環器内科)

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