プロポーズドセッション
水共生学 ~水文・水資源学における学際研究の課題と可能性~
代表コンビーナ: 渡部哲史(九州大学・准教授)
共同コンビーナ: 荒谷邦雄(九州大学・教授),木村匡臣(近畿大学・講師),藤岡悠一郎(九州大学・准教授 )
セッションの趣旨: 学会趣旨が示す通り,水文・水資源に関わる諸問題は個々の分野では対応が難しいものが多く,その研究の効率的な推進を図るためには各分野の成果を糾合した新しい学問体系の発展・充実が求められている.我々は水に関わる地球圏―人間圏―生物圏の相互作用により成立する系を水循環システムと捉え,水循環や水環境に関わる地域課題を,水文学をはじめとする地球科学,人文社会科学,生物科学の学際アプローチにより解決を図る水共生学の創生に取り組んでいる.これらの背景から,本セッションでは水文学と人文社会科学や生物学との学際研究の事例を集める.プロポーズドセッションの特徴をいかし,人文社会科学や生物学を主とする非学会員の発表者を歓迎する.本セッションを通じて水文・水資源学における学際研究の課題や可能性について議論を行いたい.
学際的学会の総力を流域治水の推進力へ
代表コンビーナ: 手計太一(中央大学理工学部・教授)
共同コンビーナ: 吉田貢士(東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授),木口雅司(東京大学未来ビジョン研究センター・教授),中村要介(三井共同建設コンサルタント㈱・部長)
セッションの趣旨: 気候変動を踏まえ,あらゆる関係者が協働して流域全体で行う総合的かつ多層的な水災害対策として,国土交通省が中心となって流域治水という新しい治水政策へと舵が切られた.令和3年には通称「流域治水関連法」が全面施行し,全国109全ての一級水系,そして12の二級水系で流域治水プロジェクトが策定・公表された.しかしながら,治水対策の要素技術のほとんどは定量評価にいたっておらず,また,定量評価に欠かせないアンサンブル予測には不確実性がともなうため,国民間の合意形成の現場に耐えうるレベルに達していないのが実情である.そして,本当に理想通りにあらゆる関係者が協働しているのだろうか?学際的かつ総合的研究を重視する水文・水資源学会は何ができるのか?本セッションでは,実際の現場における課題・問題を共有し、解決に向けた議論をする.
社会⽔⽂学ー社会と⽔の相互作⽤と共発展ー(ポスターセッション)
代表コンビーナ: 中村晋⼀郎(名古屋⼤学⼤学院⼯学研究科・准教授)
共同コンビーナ: 坂本⿇⾐⼦(東京⼤学⼤学院新領域創⽣科学研究科・准教授),⾼橋そよ(琉球⼤学⼈⽂社会学部・准教授),檜⼭哲哉(名古屋⼤学宇宙地球環境研究所・教授)
セッションの趣旨: 社会⽔⽂学は,社会と⽔の間の相互作⽤と共発展の現象,さらには洪⽔や渇⽔,紛争といった⽔問題におけるそれらのメカニズムの発現過程をよりよく理解するために登場した.その研究のアプローチは,地域レベルから流域に⾄るさまざまなスケール,⽔に関する社会科学と⾃然科学を繋いだ学際性が極めて重要であり,近年では,⽔資源・リスク管理,適応デザインといった実践・政策へのアプローチが志向し始められている. 本セッションは,社会と⽔の相互作⽤と共発展に関する社会科学・⾃然科学を問わない幅広い分野の発表を歓迎する.特に,1)社会と⽔の相互作⽤と共発展を伴う現象や⽔問題に関する⽇本やアジアでの事例,2)社会と⽔の相互作⽤と共発展メカニズムに関する調査・分析・モデリング,3)それらに関する実践・政策へのアプローチといった内容について幅広く議論したい.
セッション編成:発表申し込み登録締切後,直ちに代表コンビーナに要旨送付の上,プログラム編成を依頼します.
代表コンビーナの裁量:各発表の発表時間,発表の採否とします.
採用されなかった発表の取扱は一般の発表と同様に実行委員会に一任されます.
水文・水資源学会/日本水文科学会 2023年度研究発表会 大会実行委員会
プロポーズドセッション係
E-mail:jshwr_jahs_2023@ml.nagasaki-u.ac.jp