[JPD1-3] JSSCG2020;注目領域Pick Up! 小児
敗血症の国際的な診療ガイドラインであるSurviving Sepsis Campaign Guidelines (SSCG)では、2012年版まではPediatric considerationsと銘打って小児の敗血症診療に関する留意事項をまとめた章立てが設けられていた。しかし、2016年版のSSCGは小児の敗血症を対象としておらず、その主な理由は小児の敗血症の定義がSepsis-3に則った形で改訂されなかったためと考えられる。特に、小児の臓器機能障害を定義するためのSOFAスコアはいまだに国際的に合意されておらず、小児領域においてSepsis-3に則った新しい敗血症定義を策定する上での足枷となっている。
そのような状況にも関わらず、日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2016では小児の敗血症も1章を割いて取り上げていただいた。その中では、敗血症の定義に厳密にこだわりすぎることは避け、初期診療アルゴリズムの構成要素をはじめとして、小児敗血症患者の評価や介入において重要と考えられる15件のCQを取り上げた。
しかしながら、その後に実施されたJ-SSCG2016の使用実態調査において、小児の項目のガイドライン遵守率が最も低い(10%未満)ことが報告された。その原因として複数の問題が考えられるが、小児領域のCQ設定がガイドライン利用者のニーズにマッチしてなかったことや、有力なエビデンスの乏しい領域であるために提示した推奨に対する信頼性を得られなかったことが大きいと洞察している。
今年度より策定作業に着手されたJ-SSCG2020においても、小児の敗血症に貴重なページを割いていただけることになった。臨床現場でもっと利用していただけるガイドラインを目指して、臨床家が判断に悩むポイントをしっかりと抽出し、診療フローとCQ設定の見直しに尽力したいと考えている。
そのような状況にも関わらず、日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2016では小児の敗血症も1章を割いて取り上げていただいた。その中では、敗血症の定義に厳密にこだわりすぎることは避け、初期診療アルゴリズムの構成要素をはじめとして、小児敗血症患者の評価や介入において重要と考えられる15件のCQを取り上げた。
しかしながら、その後に実施されたJ-SSCG2016の使用実態調査において、小児の項目のガイドライン遵守率が最も低い(10%未満)ことが報告された。その原因として複数の問題が考えられるが、小児領域のCQ設定がガイドライン利用者のニーズにマッチしてなかったことや、有力なエビデンスの乏しい領域であるために提示した推奨に対する信頼性を得られなかったことが大きいと洞察している。
今年度より策定作業に着手されたJ-SSCG2020においても、小児の敗血症に貴重なページを割いていただけることになった。臨床現場でもっと利用していただけるガイドラインを目指して、臨床家が判断に悩むポイントをしっかりと抽出し、診療フローとCQ設定の見直しに尽力したいと考えている。