[JPD1-8] JSSCGの将来展望:目指すべきもの
近年、Surviving Sepsis Campaign Guideline(SSCG)の普及などにともない、敗血症診療は注目され、質の高いガイドラインを作成する意義はきわめて大きい。日本では2012 年、本邦独自の治療法などを考慮した日本版敗血症診療ガイドラインが日本集中治療医学会から公表されたが、方法論も含め課題も指摘された。
日本版敗血症診療ガイドライン2016 (JSSCG2016)を作成するにあたり、一般臨床家にも理解しやすい内容でより広い普及を目指し、日本集中治療医学会と日本救急医学会が合同で作成委員会を結成した。若手を中心としたワーキングメンバーを含む総勢73名で構成され、19 領域のテーマごとに89 のclinical questions が抽出され、SSCG では取り上げない斬新なテーマも含まれ、その臨床的価値は大きいと考えられた。
今回、JSSCG2020を作成するにあたり、J-SSCG2020委員会(日本救急医学会・日本集中治療医学会から委員計24名)では、
1. J-SSCG2016同様、一般診療の現場で広く用いられ役立つガイドラインを目指す。
2. SSCGにない斬新かつ臨床的に重要な内容も積極的に取り入れ、日本だけでなく世界でも役立つガイドラインを目指す(SSCGとの差別化)。
3. 時間的要素などを取り入れ、ガイドラインの内容の見せ方を工夫する(診療フローなどの活用)。
4. 若手医師の先生方にも積極的に参加していただき、ガイドライン作成を通じて次世代の育成を進める。
を大きな目標に掲げた。
また、組織構成としては、日本集中治療医学会、日本救急医学会の両学会員からワーキンググループ、システマテイックレビューメンバーの公募を行い、委員と合わせて総勢200名を超える大規模なガイドライン作成チームとなった。2016同様、アカデミック推進班を組織し、横断的に作業の統一とガイドラインの質の担保を行っている。また、作業過程の透明化を図るため、委員会、討議のオープン化などを採用し、若手を中心とした人材の育成とネットワーク構築などを図る体制を重視した。さらに、日本救急医学会と日本集中治療医学会が学術的にも人的にも貴重な連携を図り、国内外に向けても臨床的価値が高い敗血症診療ガイドラインを作成し、広い普及を目指す点できわめて重要と考えられる。
J-SSCG2020では、22項目のテーマが選ばれ、2016年版でも取り上げられた18項目に加え、新たに神経集中治療、Patients Centered Therapy and Family Care(End of Lifeや面会、ICUダイアリー、Setting goals of careを含む)、Sepsis Treatment System(病院システム、チーム医療、多職種連携、MEWS、RRS)、ストレス潰瘍の4項目を重要テーマとして新たに取り入れた。特に、Patients Centered Therapy and Family Careを中心に多職種のワーキングメンバーに参加して作成を進めている点が 2016年版からの大きな進化である。JSSCGの今後の展望と目指すべきものについてまとめ、将来的な大きな発展に向けて意見交換したい。
日本版敗血症診療ガイドライン2016 (JSSCG2016)を作成するにあたり、一般臨床家にも理解しやすい内容でより広い普及を目指し、日本集中治療医学会と日本救急医学会が合同で作成委員会を結成した。若手を中心としたワーキングメンバーを含む総勢73名で構成され、19 領域のテーマごとに89 のclinical questions が抽出され、SSCG では取り上げない斬新なテーマも含まれ、その臨床的価値は大きいと考えられた。
今回、JSSCG2020を作成するにあたり、J-SSCG2020委員会(日本救急医学会・日本集中治療医学会から委員計24名)では、
1. J-SSCG2016同様、一般診療の現場で広く用いられ役立つガイドラインを目指す。
2. SSCGにない斬新かつ臨床的に重要な内容も積極的に取り入れ、日本だけでなく世界でも役立つガイドラインを目指す(SSCGとの差別化)。
3. 時間的要素などを取り入れ、ガイドラインの内容の見せ方を工夫する(診療フローなどの活用)。
4. 若手医師の先生方にも積極的に参加していただき、ガイドライン作成を通じて次世代の育成を進める。
を大きな目標に掲げた。
また、組織構成としては、日本集中治療医学会、日本救急医学会の両学会員からワーキンググループ、システマテイックレビューメンバーの公募を行い、委員と合わせて総勢200名を超える大規模なガイドライン作成チームとなった。2016同様、アカデミック推進班を組織し、横断的に作業の統一とガイドラインの質の担保を行っている。また、作業過程の透明化を図るため、委員会、討議のオープン化などを採用し、若手を中心とした人材の育成とネットワーク構築などを図る体制を重視した。さらに、日本救急医学会と日本集中治療医学会が学術的にも人的にも貴重な連携を図り、国内外に向けても臨床的価値が高い敗血症診療ガイドラインを作成し、広い普及を目指す点できわめて重要と考えられる。
J-SSCG2020では、22項目のテーマが選ばれ、2016年版でも取り上げられた18項目に加え、新たに神経集中治療、Patients Centered Therapy and Family Care(End of Lifeや面会、ICUダイアリー、Setting goals of careを含む)、Sepsis Treatment System(病院システム、チーム医療、多職種連携、MEWS、RRS)、ストレス潰瘍の4項目を重要テーマとして新たに取り入れた。特に、Patients Centered Therapy and Family Careを中心に多職種のワーキングメンバーに参加して作成を進めている点が 2016年版からの大きな進化である。JSSCGの今後の展望と目指すべきものについてまとめ、将来的な大きな発展に向けて意見交換したい。