第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

看護交流集会

[NS1] 看護交流集会1
(看護ガイドライン委員会企画) 口腔ケアガイドの活用

2019年3月2日(土) 10:50 〜 11:50 第19会場 (グランドプリンスホテル京都B2F プリンスホール2)

座長:明神 哲也(東京慈恵会医科大学医学部看護学科), 山中 真知子(京都第一赤十字病院)

[NS1-3] 気管挿管患者の口腔ケア実践ガイドを活用して目指すところ

山口 典子1, 明神 哲也2, 伊藤 皇公3, 山中 真知子4, 岸本 裕充5, 橋本 悟6 (1.長崎大学病院 看護部, 2.東京医科大学病院 臨床研究支援センター, 3.平塚共済病院, 4.京都第一赤十字病院, 5.兵庫医科大学病院 歯科口腔外科, 6.京都府立医科大学付属病院 集中治療部)

ライブ配信】

人工呼吸器関連肺炎(Ventilator-Associated Pneumonia: VAP)は、クリティカルケア領域において重大な感染症の一つである。海外では、0.12%~0.2%のグルコン酸ヘキシジンを用いた口腔ケアのVAP予防の有効性が示され、グルコン酸ヘキシジンを用いた口腔ケアは、VAP予防バンドルアプローチの一つに位置づけられている。しかし日本では、0.12%~0.2%のグルコン酸ヘキシジンを口腔粘膜に使用することは薬事法で禁止されており、2010年に日本集中治療医学会から出されたVAPバンドルにも口腔ケアは含まれていない。日本では、VAP予防を主目的とした気管挿管患者の口腔ケアの手順は標準化されたものがなく、各病院や施設による独自の方法で口腔ケアを実施している現状がある。このような状況から、日本集中治療医学会看護ガイドライン検討委員会では、日本クリティカルケア看護学会口腔ケア委員会との合同で、「気管挿管患者の口腔ケア実践ガイド」の策定を進めてきた。2017年には「気管挿管患者の口腔ケア実践ガイド(案)」のパブリックコメントを募集し検討を重ねている。実践ガイドで提示した根拠は、エビデンスレベルの高いものもあれば低いものもあり、絶対的根拠を示したものではない。また、効果を裏付ける文献が無く根拠が未確定のものもある。しかしながら、気管挿管患者の口腔ケアの標準化は急務である。まずは、本実践ガイドを各施設で活用し、標準化した口腔ケアを多施設で実践することで、現在明確になっていない根拠を明らかにし、口腔ケア実践ガイドを確立していきたいと考えている。口腔ケア実践ガイドの活用に向けて、会場の皆さまとディスカッションを進めたい。