[O109-5] 新しいClosed ICUにおけるICU入室と死亡率の関係
【背景】奈良県総合医療センターは、地方中核都市にある基幹病院である。2018年5月に新病院への移転に際し、全32診療科からなる総合病院として再スタートし、同時期よりclosed ICUも開設となった。【目的】2018年5月1日から7月31日の3か月間の集中治療室入室患者について、後ろ向きに検討した。【結果】3か月間で計201名の入室があり、経路として、院内急変(I群:27名)、救急外来からの直接入室(E群:88名)、定期手術の術後(O群:86名)であった。入室後のSOFAスコアは、I群:E群:O群=7.30±4.24点:5.10±4.16点:2.41±2.44点であり、滞在日数は、それぞれI群:E群:O群=5.63±7.51日:3.83±3.50日:1.73±2.73日であった。集中治療室からの退室先・転帰として、HCU(=H)、病棟(=W)、死亡(=D)とあるが、それぞれにおいて、I群:H/W/D=15(55.6%)/8(29.6%)/4(14.8%)、E群: H/W/D=54(61.4%)/32(36.4%)/2(2.3%)、O群:H/W/D=30(41.9%)/56(65.1%)/0であった。院内死亡としては、I群:E群:O群=33.3%:5.7%:1.2%であった。またSOFA≧12点の患者(計15名)に絞った場合、ICU死亡率:20.0%、院内死亡率では、40.0%であった。SOFA≦3点の患者(計107名)に絞った場合、ICU死亡率:0%、院内死亡率では、0.9%であった。【結論】院内急変による入室患者の予後が最も悪く、先行研究でのSOFA≧12では死亡率:95%、SOFA≦3点では5%というデータと比較すると、予後は良かった。