[O115-6] 当院ICUでのJ-PAD導入による薬剤使用の変化と導入後の薬剤師の介入の変化について
【目的】J-PADガイドラインが2017年度より麻酔科医主導により当院ICUでも導入された。それに伴い鎮痛剤(オピオイド)と鎮静剤の使用量の変化と、薬剤師介入の変化について報告する。【方法】導入前2016年度と導入後2017年度の鎮痛剤フェンタニル、鎮静剤プロポフォール、デクスメデトミジン、ミタゾラムの使用量と薬剤師業務内容の変化を調査した。【結果】鎮痛剤フェンタニルの使用は増加、鎮静剤ミタゾラムの使用は明らかに減少していた。鎮静管理はRASS:0~-3、鎮静剤は、挿管患者にはプロポフォール、非挿管患者にはデクスメデトミジンを主とし、プロポフォール禁忌症例にはミタゾラムを使用していた。【考察】J-PADの導入により、フェンタニルを中心とした鎮痛優先管理、ベンゾジアゼピン系薬剤を避けた調節性の高い鎮静剤を主とする鎮静管理へと薬剤使用が変化していた。浅鎮静管理により患者とのコミュニケーションがとれることで、直接投薬説明を行い、鎮痛・鎮静剤の使用目的を理解の上での投薬ができるようになった。また直接の訴えや副作用の聴取も可能となり、患者の苦痛度や副作用を評価し、薬学的見地から投薬に関する提案をする機会が増えた。今後も薬剤師の視点から「痛み・不穏・せん妄管理」に積極的に介入し、薬剤適正使用の面から個々の患者に適切な薬剤使用の提案を行うなど、薬剤師の技能を活かしチーム医療に貢献していきたい。