第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(口演)

チーム医療

[O117] 一般演題・口演117
チーム医療02

Sat. Mar 2, 2019 4:00 PM - 5:00 PM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:乾 早苗(金沢大学附属病院 救急部)

[O117-2] A病院でのImpella導入および運用における多職種連携について

佐々木 友子, 吉田 朋代, 岡田 真理, 尾崎 仁美 (日本医科大学付属病院 高度救命救急センター)

1.背景 A病院は高度救命救急センターを擁し、かつ東京都CCUネットワークに登録された急性期病院であり、心原性ショックや心肺蘇生後など循環器救急患者が多数来院する。一方、A病院の高度救命救急センターは2018年1月から新施設に移転した。同時に救命救急センターは、救命救急科、心臓血管集中治療科、脳卒中集中治療科の三科体制となり、同じフロアで協力して医療を提供できる環境となった。 A病院では、2018年4月から補助循環用カテーテルImpellaを導入している。Impellaは、循環補助により生理的循環を維持しながら冠血流増加と心負荷軽減などの効果が得られる。Impellaが適応となるのは、心原性ショックのうち急性左心不全を主体とする循環不全が遷延する症例である。従って、ショック状態にある患者に速やかにImpellaを留置し血行動態を維持することが重要となる。そのためには、関わる医療者が早期治療に向けての対応を理解し迅速かつ効率よく自分の役割を果たしていくことが必要である。Impella実施施設認定を受けるため、2018年2月より心臓血管集中治療科の医師が中心となってImpellaチームを立ち上げた。チームには多職種が参加し,様々な取り組みを行ってきた。その取り組みは、安全で迅速に医療を提供するための多職種連携の重要性を考える機会となった。  今回、Impella実施認定施設となり数例経験した中での多職種連携について考察したので報告する。2.目的 Impella実施施設認定を受けるまでと症例を経験する中での多職種連携について考察する。3.方法 A病院でのImpella導入に関する資料や議事録、実践活動の振り返りを行い多職種連携についてまとめる。4.結果 Impellaチームは,多職種で構成された。Impella導入のためのシミュレーションシナリオ作成、情報共有方法の検討、医療材料の検討、検査室での人員配置、看護手順作成、チェックリスト作成などを行なった。実際に運用が始まると、事前に準備していた手順やチェックリストの再検討、看護師に対するショック患者への看護や医療機器に対する教育を行なっていた。5.結論 A病院のImpellaの導入にあたり、「情報共有」「看護手順作成」「職種間の連携」「教育」にそれぞれの専門性を活用しながら多職種連携をすることができた。その関わりが、安全で迅速な対応ができるチーム医療の提供に繋がることが示唆された。